統合失調症とは
典型的には中学校や高校生頃のある時期を境にして、記憶力や集中力が低下し、授業についていけなくなったり、本や動画などを目にしても頭に入りづらくなったりします。
「考えがまとまらなくなった」と感じる方もいます。
周囲の人の視線がとても気になり、外出するときには強い不安を感じます。
人混みでパニック症のような症状を起こす方がいるのはこの症状のせいです。
しばらくすると自分に対して誰かが呼びかけてくるような声が聞こえたり、やたらと物音がうるさく感じたりするようになります。
どこからともなく監視されていると確信する方もいます。
抑うつ症状が強く自殺を試みる方も少なくありません。
統合失調症の治療と注意点
統合失調症の治療は薬物療法です。
薬の効果が出てくると幻覚や妄想などの活発な症状は改善しますが、今度は「ひたすら寝ている」「お風呂や歯磨きなどの日常生活が難しい」という時期が到来します。
これは症状の激しかった時期に活発にエネルギーを消耗した分、身体がゆっくりと休むことを欲するようになるからだと言われています。
次第に日常生活が送れる様になってきた際には、デイケアに代表される精神科リハビリを組み合わせた治療を行うことが効果的です。
発症当初には気分障害(うつ病や躁うつ病)や不安症(社交不安症、パニック症、強迫性障害)という診断が付く場合があります。
これは統合失調症自体が時期によって出現する症状が異なるためです。
このため統合失調症の治療では症状の変化のプロセスを細かに追っていくことが必要です。
幻覚妄想がおさまってくると内服を中断する方がいますが、多くは再発をします。
薬物療法を行っても時にはなかなか症状が改善しなかったり、激しい症状を来たして生命に危険を及ぼすような場合があったりするのがこの病気の特徴です。
このような場合にはクリニックでの治療には限界がありますので、入院施設やリハビリ施設を有する精神科病院や総合病院の精神科での通院・入院加療を推奨します。