強迫性障害とは
次のような症状がある場合、強迫性障害(強迫症)が疑われます。
- カギを閉めたはずなのに、何度も戸締まりの確認をしに戻ってきてしまう
- 大切なものを入れ忘れていないかと感じて、なかなか郵便物を投函できない
- 火事を起こすのではないかと怖くなり、ドライヤーが冷えるまでじっと観察をする
- 誰かに怪我をさせていないかと何度も後ろを振り返ってしまう
- 公共の椅子に背中を付けて座れない、そもそも座らない
- 水しぶきや汚れが気になり、過度に拭いたり手洗いしたりしてしまう
強迫性障害とは、頭の中で何度も生じてしまう強迫観念と、これを打ち消すかのように繰り返される強迫行為との2つから成り立ちます。
「こんなことをしていても無駄だ」と不合理感を抱いていたとしても何度も強迫行為を繰り返してしまうことが特徴です。
強迫性障害の治療と注意点
他の不安症(社交不安症、パニック症)と同様に強迫性障害の治療にも抗うつ薬が有効です。
一般外来では、抗うつ薬の内服を継続しながら、日常生活の変化を確認していきます。
また、どの強迫行為を抑えるかを話し合ったり、自分の周囲の人達がどのように振る舞っているのかを観察し、彼らを真似て自分の行動をほんの少し勇気を出して変えたりすることを繰り返していきます。
外出をすること自体にものすごく苦労することが多い中で、クリニックでの治療に向かおうという姿勢はすでに「良くなりたい」という気持ちを発揮している証です。
症状が改善するにつれて、これまでに気がついていなかった強迫症状に気がつく方も多くいます。
統合失調症の前駆症状として強迫症状が出る方もいますので、定期的に受診することを推奨します。