パニック症とは
ある日、予期せず突然、息苦しさ、胸が激しくドキドキする、発汗、手足のふるえなどの強い身体の違和感が生じます。
そのとき多くの方は「死んでしまうかもしれない」「大きな病気になってしまったに違いない」と強い恐怖を感じ、救急車を呼んだり、電車から降りたりします。
一度このような症状が起こったあとには、少しでも身体の違和感を感じると「また同じような発作が起きて恐ろしい目にあってしまう」と不安を感じ、色々な対策をして気をそらしてみたり、電車、バス、トンネル、待合室、歯医者、美容院などすぐにその場を離れられないような場所を避けたりするなど、日常生活のほとんどにおいて緊急事態(パニック発作)に備えて身の安全を図るようになります。
パニック症の治療と注意点
パニック症は、不安に関する脳内の何らかの神経系の機能異常が原因と言われており、抗うつ薬による薬物療法が有効です。
一旦パニック症にかかると、身体感覚に対して脳が敏感になるので、本来は誰にでも起きるような息切れや動悸(例:全力疾走したら誰だってハァハァしてドキドキしますよね?)に対してですら、「発作が起きる予兆だ」と脳が過剰にアラームを鳴らしてしまいます。
治療方法である「薬を飲むこと」自体に対する不安が高まってしまう方も多くいます。
当クリニックでは内服薬を使いながら、少しずつ日常生活の幅をもう一度広げていくことを推奨しています。
パニック症と間違われやすい疾患として、身体面の不調が挙げられます。
重度の貧血、甲状腺機能異常などが代表例です。
また統合失調症やてんかんの場合にもパニック症のような症状を呈する場合もあります。